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難治性口内炎は治療できます

  • 執筆者の写真: Dr.Y
    Dr.Y
  • 3月25日
  • 読了時間: 17分
  • 慢性口内炎実は慢性ではなく、急性な病気です。


  • 病原体が上皮組織を突破できる口内炎は、ほぼ100%カリシウイルスの原因


  • 猫ヘルペスウイルスは口内炎の原因ではありません。人のヘルペスウイルスと猫のヘルペスウイルスは異なるものです。


  • 全ての口内炎は、猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)などの免疫抑制ウイルスの関与や、腫瘍・癌による壊死性病変がない限り、基本的に現在存在している承認薬で、完治することができます




猫慢性歯肉口内炎には、FCGS(Feline Chronic Gingivostomatitis)という学術名があります。


しかし、この名称は実際には誤った定義です


人間でも猫でも、大多数の口内炎は病原体の感染によって引き起こされる急性炎症です。


一方、慢性炎症、または「全身性慢性炎症」と呼ばれるものは、感染が原因ではなく、遺伝的要因や遺伝子に長期的な影響を与えるリスク因子によって、先天性免疫系および免疫細胞が持続的に自己活性化し、炎症性サイトカインを分泌し続けることで発症する自己免疫疾患や神経変性疾患に分類されます。


これには、心血管疾患、癌、糖尿病、慢性腎疾患、非アルコール性脂肪肝、冠動脈疾患などが含まれます。


Thomas Sydenham
Thomas Sydenham

急性疾患と慢性疾患の違いについては、トーマス・シデナムが今から300年以上前にすでに言及しています。


acutos dico

qui ut plurimum Deum habent authorem sicut chronici "ipsos nos"


「急性疾患は外的要因によって引き起こされ、慢性疾患は患者自身の体内環境によって生じる」


そのため、猫の歯肉口内炎は、猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)などの免疫抑制ウイルスの関与や、腫瘍・癌による壊死性病変がない限り、基本的に完治が可能です。


病状の慢性化や再発は、単に病原体が完全に排除されていないために起こるものです。



口内炎の分類


口内炎は、猫カリシウイルス(FCV)の関与の有無によって、大きく2つのタイプに分類できます。


  • カリシウイルスが関与しない場合


    口腔の炎症が歯肉炎や歯周炎に限定され、痛みを伴わない場合、病原体が上皮組織を突破できないと考えられます(=カリシウイルスの関与なし)。


    口腔粘膜や分泌物は強力な先天性免疫系の一部であり、一般的な細菌がこの防御を突破することは困難なため、上皮組織の下層構造が損傷を受けることはありません。


    このケースでは、口腔内の抗菌を行うことで治療可能です。


    漢方薬も有効ですが、嫌気性フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)、トレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola)といった病原菌には注意が必要です。


  • カリシウイルスが関与する場合

    カリシウイルスは宿主特異性が高く、猫の先天性免疫バリアを破壊することで感染が深部へ進行します。


    その結果、舌や舌下面の潰瘍、歯槽炎、尾側口内炎、各部位の膿瘍や過形成といった重篤な症状を引き起こします。


    そのため、カリシウイルスが関与する場合は治療がやや複雑になりますが、効果的な方法が存在します。



カリシウイルスは変異のスピードが非常に速く、症状の現れ方も多岐にわたります。


治療においては、症例ごとに細かな対応の違いはあるものの、基本的には「抗炎症」「抗ウイルス」「抗菌」の3つの方向性を軸に治療を組み立てていくことが一般的です。







抗炎症治療


抗炎症治療について


「病原体を除去すれば炎症も治るのでは?なぜ抗炎治療が必要なの?」


こうした疑問を持つ方もいるでしょうが、抗炎治療には2つの重要な目的があります。



1. スムーズな治療の実施のため


炎症は痛みの原因です。激しい痛みは、経口薬や口腔スプレーの使用を妨げます。また、動物が長期間正常に食事を摂れない状況は望ましくありません。


2. 炎症の拡散を防ぐため


炎症時に放出されるサイトカインの炎症促進タンパク質は、血液やリンパを通じて他の組織や臓器に拡散し、全身性の炎症を引き起こす可能性があります。



抗炎症治療に適していない薬剤


多くの獣医師が口内炎の正しい治療法を知らないため、最も手軽に処方されやすいのがステロイドです。


しかし実際には、ステロイドは治療に対して悪影響を及ぼす可能性があります。


急性炎症に対しては、ステロイド剤を使用しないことが推奨されます。特に全身性ステロイドは免疫システムを全面的に抑制するため、抗ウイルス・抗菌効果を損なうだけでなく、長期使用によりさまざまな副作用を引き起こす可能性があります。また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も効果が非常に低いため、使用しても意味がないです。



抗炎症治療に適した薬剤


1. 漢方薬(中薬)


最も適切な選択肢は、以前から使用してきた漢方薬です。実際に、猫の口内炎治療を行った飼い主の方々にも提供したことがあります。漢方薬は、複数の抗炎症因子の組み合わせで構成されており、外部の血腫やポリープだけでなく、肝臓・胆のう・膵臓・脾臓の炎症にも効果的です。


「具体的にどんな漢方薬ですか?」というご質問については、詳細は気になる方が直接お問い合わせください。


2. トシリズマブ(IL-6阻害薬)


漢方に抵抗がある場合、トシリズマブ(ロシュ製の注射液など)を選択することも可能です。この薬は、皮下注射(ロシュ製)または静脈注射(他のブランド)で投与されるIL-6阻害剤です。


白血球介素6(IL-6)は、主要な炎症性サイトカインの一つであり、単独での抑制でも一定の改善効果が期待できます。


トシリズマブが抑制しない炎症因子、例えば顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)やγ-インターフェロン(IFN-γ)は、免疫機能においてプラスの役割を果たすため、過度に抑制する必要はありません。



漢方薬の抗炎症効果の優位性


実際に治療を行う際、飼い主に漢方薬を渡すと、


「え…苦いから、投薬が難しい…」

「え…漢方ってなんの意味があるの?」


とよく言われます。


漢方薬の最大の強みは、TNF-α(腫瘍壊死因子α)の抑制作用にあります。


TNF-αは腫瘍壊死因子同様の膜貫通タンパク質であり、西洋薬を使用すると感染リスクが増加する可能性があり、治療がより複雑になります。一方、漢方薬であれば、こうしたリスクを軽減しつつ、安全に抗炎症効果を得ることが可能です。




カリシウイルス
カリシウイルス

抗ウイルス治療


猫カリシウイルス(FCV)は、猫に感染するウイルスの中でも特に詳しく研究されているウイルスです。これは、カリシウイルス属の中で体外培養が可能なウイルスが、マウスノロウイルス猫カリシウイルスの2種類しかないためです。



猫カリシウイルスに対する治療方法


猫カリシウイルスには、さまざまな治療方法があります:


  1. ウイルスが宿主細胞に侵入する際に必要なJam-1免疫グロブリンをターゲットに、細胞内のpH(酸性・アルカリ性のバランス)を調整して、ウイルスの外膜(エンベロープ)を壊す方法です。


  2. PPMOを使って、ウイルスのRNA鎖上の特定の塩基をブロックし、ウイルスが増殖する際に必要なタンパク質合成を阻害します。


  3. T細胞の応答を促進し、ウイルス感染した細胞やウイルスそのものを攻撃することで、感染を抑えることができます。


  4. ウイルスの複製を止める方法

    RdRp(RNA依存性RNAポリメラーゼ)阻害薬を使って、ウイルスが体内で増えるのを防ぎます。



効果的な治療方法


これらの方法の中でも、特に効果が高いとされているのは、

「T細胞の活性化」と「ウイルスの複製を阻害する治療」です。


T細胞の応答を活性化する方法として、以下の2つの方法があります:


  1. インターフェロンの使用

    これは、T細胞を直接刺激して活性化する方法です。


  2. HPK-1阻害剤の使用

    HPK-1は、T細胞の活性を制約する酵素です。これを阻害することで、間接的にT細胞の応答を促進します。


ウイルス複製の阻害方法も以下の方法があります:


  1. 3CLプロテアーゼ阻害剤の使用

    3CLプロテアーゼを阻害することで、RNAの切断を防ぎ、ウイルスの複製を抑制します。


  2. ウイルスRdRp(RNA依存性RNAポリメラーゼ)に対する抗ウイルス修飾ヌクレオシド薬の使用

    RdRpのプリンを置換することで、ウイルスのRNA転写をブロックします。これにより、ウイルスの増殖を効果的に阻止できます。


治療方法を深掘りしていく前に、まずカリシウイルスを理解するべきだと思います。



カリシウイルスを理解しましょう


カリシウイルスは、球状のRNAウイルス群に属し、ウイルス粒子(ビリオン)は180個のタンパク質から構成されています。すべての遺伝情報は、一本鎖のプラス鎖RNA(正鎖RNA)にコードされています。


カリシウイルスには、3つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在し、そのうち約半分の領域は変異が起こりやすい特性を持っています。このウイルスは、RNA転写過程においてエラーが非常に発生しやすく、自己修復機能を持たないため、変異速度は極めて速く、新型コロナウイルスよりも高い変異率を示します。


このような転写エラーは、主に以下の2つの影響を引き起こします。



1.カプシドタンパク質構造の不安定によりエピトープの変化


エピトープは、抗原の特定の部位を指し、抗体の抗原結合部位(パラトープ)と高度に一致することで、抗体がターゲットに結合することが可能となります。

しかし、エピトープの形態が絶えず変化することにより、抗体が標的に適切に結合できなくなります。このため、猫カリシウイルスに対するワクチンの効果も限られています。


2.ウイルス株の指向性の変化(感染する細胞の種類の変化)


通常、猫カリシウイルスは口腔や上気道の粘膜細胞に感染し、水疱や潰瘍を形成して細菌の二次感染を引き起こす環境を作り出します。しかし、ウイルス株の指向性が変わると、以下のような病態が発生することがあります:


  • 下気道の細胞に感染し、肺炎などの呼吸器疾患を引き起こす

  • 関節の滑膜(シノビウム)に感染し、関節炎を誘発する

  • 皮膚を含む多様な臓器に感染し、悪性全身性カリシウイルス(VS-FCV, Virulent Systemic Feline Calicivirus)を発症する


多くの場合、これらの変異は個体内で自発的に発生します。ほとんどの悪性カリシウイルスのアウトブレイクにおいて、収集されたウイルス株の遺伝的背景は異なっています。


同一の猫でも、体内でウイルスが継続的に変異を起こすことで、病状が段階的に変化することがあります。


例えば、最初は単なる口内炎として始まり、その後、呼吸器の炎症、さらに進行すると足の麻痺(跛行)が見られるようになるケースもあります。


カリシウイルスが絶えず変異を繰り返すことは、ほとんどの動物がこのウイルスを自己免疫で排除できない主な原因でもあります。


T細胞やB細胞の免疫記憶は、変異前のウイルス株に対してしか効果を示さず、新しい免疫記憶が形成される前にウイルスは再び変異してしまいます。


ヘルペスウイルスとは異なり、カリシウイルスは潜伏感染のメカニズムを持っていません。より正確に言うと、カリシウイルスは神経細胞内で「冬眠」状態に入った場合、再活性化することができません。これは、ヘルペスウイルスが持つような再活性化を促すVP16タンパク質のようなものをカリシウイルスが持っていないためです。



一部の動物には、先天的な免疫力があります。


例えば、特定の血液型抗原(HBGA, Histo-Blood Group Antigen)は、カリシウイルスが宿主細胞に結合するのを阻止することができます。しかし、ほとんどの猫は感染後、終生キャリア(ウイルス保持者)となります。


そのうち、約50%の猫は、一定の周期でウイルスを排出することを繰り返します。この周期は約75日と比較的安定しています。


一方、持続的にウイルスを排出し続ける猫と、カリシウイルスが環境中で長時間生存できること、さらに高い抗原の変異によって免疫系から逃れる能力を持っていることにより、このウイルスは大規模な集団内で非常に高い感染率を示します。


一度猫の集団がウイルスキャリアの集団となると、その集団内のすべての猫は感染者と見なされます。この場合、ワクチン接種の有無や、目に見える症状の有無に関係なく、感染が前提とされます。


したがって、カリシウイルスの治療には、個別の感染猫だけでなく、集団全体に対する包括的な対応が必要です。ただ抗体や抗原検査で陽性と確認された個体に対してだけ治療を行うのでは不十分です。



カリシウイルスについて、正しく理解した後、治療方法について詳しく説明します。



T細胞の活性化について


インターフェロンは、T細胞を直接活性化して数を増やします。この過程で、好中球が多少減少することがありますが、好中球はウイルスと戦う役割は大きくないため、特に問題はありません。


一方、HPK1キナーゼ阻害剤(例:ZYF0033やその誘導体のSS44、SS45、SS47など)は、間接的にT細胞の数や働きを維持します。しかし、これらの薬は少し毒性があるため、使用する際には注意が必要です。


この2つを比べると、インターフェロンの方が効果的です。

価格はやや高めですが、既に安全性や効果が確立されているため、入手もしやすいです。



インターフェロンの効果と限界


インターフェロンは、ウイルスを抑える力や症状の改善が期待できますが、ウイルスを完全に排除することはできません


また、21日以上使い続けても効果が薄くなるため、治療の初期段階で使うのが効果的です。


インターフェロンは、Wik’s Protocol(ウィックプロトコル)の初期2サイクルで使用します。これは、ウイルス量を早めに減らし、その後にウイルスの増殖を抑える治療をより効果的にするためです。



ウイルス増殖を阻害する方法


ウイルスの増殖を阻害する方法としては、3CLプロテアーゼ阻害剤(例:ニルマトレルビル)が有効です。しかし、猫カリシウイルスは変異が非常に早く、耐性がつきやすいため、長期使用には注意が必要です。


例えば、リンパ球形質細胞性歯肉口内炎(LPGS)や、悪性カリシウイルス感染の重い症状が出た場合は、短期間の高用量でニルマトレルビルを使用することで、細菌感染を誘発しやすい症状を迅速に抑えることが可能です。



完全にウイルスを除去するには


ただし、ウイルスを完全に消すためには、RdRp抗ウイルス修飾ヌクレオシドの使用が必要です。


この中で最も推奨されるのは、NHC、つまりEIDD-2801、モルヌピラビルです


モルヌピラビルは、他の薬(例:GS441524)と比べて、ウイルスのRNAを置き換える速度が何百倍も速く、短期間でウイルスを完全に消滅させることができます。また、耐性ウイルスが出にくいのも大きなメリットです。



注意すべき副作用とその対応方法


猫カリシウイルスの治療では、Gc376、アズブジン、ニルマトレルビル、GS441524などの薬剤を使用することがありますが、それぞれ単独で使用すると耐性が出やすいため、症状に応じて補助的な治療薬として組み合わせて使用することがあります。


インターフェロンの長期連続使用は、白血球の数を大幅に減少させますが、症状を迅速に緩和する効果があります。そのため、治療初期に断続的に使用することが推奨されます。


また、モルヌピラビル(EIDD-2801)の継続使用でも白血球減少症を引き起こす可能性があり、使用量が多いほど白血球の減少幅も大きくなります。治療終了後には自然に回復するものの、免疫力に対しては依然として負の影響を与える可能性があります。


したがって、薬物を使用する際には、特に好中球のレベルを維持し、白血球の総数が適切な範囲に収まるよう心掛けることが重要です。


実際、すべてのRNAウイルスに対するRdRp抗ウイルス修飾ヌクレオシドは、免疫細胞の数に影響を与える可能性があります。免疫細胞は、さまざまな病原体と戦う上で非常に重要な役割を果たしています。


そのため、モルヌピラビル(EIDD-2801)のような薬を比較的長期間使用する場合、定期的にCBC(血球計算)検査を行い、白血球の数値を確認することが推奨されます。必要に応じて、白血球を増加させる薬剤を併用することで、免疫機能を維持することが重要です。



治療期間の目安


FIPのように、血液中のグロブリン値を基準にできない猫カリシウイルスの場合、治療期間の目安としては、ウイルス排出のサイクル(約75日)を基準にします。






抗菌治療について


抗菌治療の基本方針


抗菌治療は比較的シンプルです。使用する抗生物質としては、モキシフロキサシンまたはレボフロキサシンのいずれかを選択します。


口内炎に関与する細菌に対して、これら二つの抗生物質はほぼ同等の効果を持ち、どちらも幅広い抗菌スペクトラムを持っています。また、安全性にも大きな違いはありません。実際の治療では、猫の年齢やその他の要素を考慮して抗生物質を選択します。



治療期間と方法


抗菌治療は、抗ウイルス治療の全期間を通して継続して使用する必要があります。さらに、抗生剤の口腔用スプレーも、炎症が完全に消失するまで毎日使用します。


通常、治療期間は約2ヶ月少々です。舌や歯茎の潰瘍は、最初の2週間以内に改善が見られるはずです。歯茎にポリープがある場合は、治療にもう少し時間がかかります。



尾側口内炎の治療に関して


抗ウイルスの治療が終わっても、局部に炎症が残っている可能性があります。特に、尾側口内炎がよくみられます。


尾側口内炎の改善には時間がかかります。というのも、通常、歯周炎(歯槽膿漏)も関与していることが多いためです。


歯周炎の原因は、歯根部の象牙質や歯槽骨の崩壊にあり、これにより細菌が歯茎と歯の基部の隙間に定着しやすくなります。


この部分は厳密には体外に相当するため、経口や注射による薬物は血流を介して作用するのが難しくなります。また、抗生物質の口腔スプレーも、歯冠(歯の表面)や歯茎により、薬剤が届きにくくなるという課題があります。



抜歯の必要性と判断


前も紹介したように、急性の炎症を抑えるためには、まず病原体を除去する必要があります。病原体が残っていると、炎症は持続してしまいます。


特に歯周炎において、最も直接的な解決策は抜歯です。


しかし、すべての歯を抜く必要はありません。尾側口内炎の原因となるのは、主に臼歯と前臼歯の歯周炎です。これらの悪くなった歯を抜くことで、薬が感染部位に行き渡り、病原体が除去されると、関連する炎症は自然と徐々に収まります。


また、すべての臼歯や前臼歯を抜く必要はありません。まずは歯のレントゲン撮影を行い、どの歯根が特にひどく腐食しているかを確認することが推奨されます。



歯を抜かない場合


中には、どうしても抜歯をしたくないという飼い主さんもいらっしゃいます。


実際の治療現場でも、こういったケースは見られます。この場合、歯を抜くより、飼い主さんは持続的な抗菌治療を希望されることが多いです。


実際に歯を抜かなくても最終的には歯周炎や尾側口内炎を改善することは可能です。しかし、治療期間は半年以上に及ぶこともあります。このような長期的な治療法を選択するかは、飼い主さんのご判断によって決まります。



歯周炎の判断


通常、最初に抗炎症、抗ウイルス、抗菌治療のこの三つのアプローチを実施します。


抗ウイルス治療終了後、また症状を評価します。その時点で歯肉炎が見られなければ、一度薬を中断して、炎症が再発するかどうかを観察します。


もし再発した場合、抗菌薬のみで炎症が再び抑えられるのであれば、歯周炎が原因であることを判断できます。



重症例での対応


しかし、猫の状態が非常に悪く、口からの投薬や食事が痛みのために困難な場合、先に抜歯を行ったほうが治療がスムーズに進むことがあります。


特に、臼歯や前臼歯を抜いておくと、歯の揺れや神経への刺激による痛みが減り、薬の投与や食事の介助が容易になります。


これで、口内炎の治療方法について、すべてご説明しました。


この方法を用いれば、以前お伝えしたように、猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)などの免疫抑制ウイルスの影響や、腫瘍・癌による壊死性病変がない限り、

基本的に完治が可能です。


さらに、治療費も高額にならないよう配慮しておりますので、安心して治療を進めていただけます。





以上、猫難治性口内炎の治療方法について、詳しく説明いたしました。


もし、内容についてご不明な点やご質問がございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。 皆さまのお役に立てれば幸いです。




猫博士では、FIP(猫伝染性腹膜炎)、難治性口内炎、パルボウイルス、猫白血病、猫エイズなど、治療が困難とされる疾患の治療支援を行っております。


獣医師、薬剤師、医学研究者などの専門チームが、科学的根拠に基づいた最適な治療プランを提供いたします。


また、病院で診断がつかない場合のご相談、検査項目のご提案、治療方針のアドバイス、処方薬の評価など、飼い主様の不安に寄り添いながらサポートいたします。


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絶望して諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。




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